歯ぐきが腫れた時に思い浮かぶ病気ってなんでしょう?
歯肉炎?歯周炎?歯槽膿漏?
呼び方は違えど、歯科の考え方としてはどれも歯周病/歯周疾患(歯の周りの病気)です。
ただ、病気の進行程度によって分類されていて、
歯肉炎:歯ぐきの表面にのみ炎症があり、歯を支える骨は溶けていない状態
歯周炎:歯ぐきの炎症が広がり、歯を支える骨が溶けている状態
という違いがあります。
腫れたとしてもキレイに治る歯肉炎の状態で受診されることをお勧めします。
進んでしまった歯周炎を治すには時間がかかります。。。
*歯槽膿漏は歯周炎を指す一般用語表現です。
ーーーーーーーちょっと脱線ーーー
そもそも炎症ってなんでしょう?
なんらかの有害な刺激を受けた時に、生体が体(自己)を守るための防御反応のことを炎症と呼びます。
《炎症の5大徴候》
発赤:赤くなること
腫脹:腫れること
熱感:熱を持つこと
疼痛:痛みが出ること
機能障害:本来の働きが発揮できなくなること
どの徴候も出たら嫌だな、、、と感じるものばかりですよね。
だから大事にしよう、治さなきゃいけないなと、心も体も気づくことができるわけです。
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歯ぐきが腫れてしまう原因とは?
【歯ぐきにかかる有害な刺激】
物理的な刺激(強すぎる力、熱など)
化学的な刺激(酸、アルカリなど)
生物的な刺激(細菌、ウイルスなど)
などがありますが、歯周病の主な原因は細菌です。
歯周病の進行を増悪させる条件が力やその他の環境条件です。
腫れてしまった時は、歯周病原因細菌が口腔内で増えてしまい、細菌が体に侵入し炎症を起こしてしまっています。
その場合、まずは腫れた場所にいる細菌の絶対数を減らすことで、正常な状態に治る手助けを行っています。
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歯周病の治療にはステップがあります。
1.細菌数を減らす。(口腔内クリーニングと薬など)
2.細菌の棲み家をなくす。(歯石と歯周ポケットの除去)
3.組織再生と清掃のしやすい口腔内を確立
ステップ1は歯肉炎に対する処置としてほぼ単回で済みますが、
ステップ2以降主に歯周病治療となり、体が治す時間が必要で数週間〜数ヶ月かかります。
歯周病によって失われた組織が多いほど治癒にかかる時間はかかります。
抵抗力も個人差があり、喫煙などの生活習慣も影響します。
歯周病が発見されたら、現状の把握と生活上の改善点を見出し、効率的な治療計画を立てることが重要です。
SRデンタルクリニックでは歯磨きの仕方から将来的に受けなければならない治療まで生涯にわたる健口生活設計を立てて、いま本当に必要な治療について一緒に考えます。
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全身疾患との関連性
歯周病を持つ人のリスクとして様々な病気が懸念されています。
歯周病菌は体内に侵入したのちに、血管に入り込み全身を巡ることが確認されています。
途中、血管の内側にへばりついたものは、その場で増殖し塊(プラーク)を作ります。
これがある程度大きくなって血流により流されると細い血管を詰まらせ、塞栓となってしまいます。
詰まった血管では栄養が行き届かなくなり、その先の組織は壊死します。これが脳で起きれば、脳梗塞、心臓で起きれば心筋梗塞と呼ばれます。
また、腎臓で感染/炎症を起こしたり、関節リウマチとの関連性を指摘されたり、糖尿病の重症度に影響するのではと研究が進んでいます。